リフ超インターンシップ 活動報告

東京から東北初上陸!平田さんのインターン挑戦!

リフ超インターンシップ1DAYプログラムを9月20日(月)に実施しました。今回は環境部門、鳥獣対策アドバイザーのインターンを行い、東京から初めて東北にやってきた平田陽也さんがチャレンジしました。東京では見慣れない自然環境へ分け入り、利府の農家さんや野生動物がどのように共生しているか実習しました。

2021年、東日本大震災から10年が経過した。当時小学校6年生だった僕は社会人1年生になった。東北に足を運んだことのない私にとっての東北のイメージは、「復興」「農業」「動物」であった。しかしこのイメージは、ニュースやテレビで知った情報からイメージした、いわゆる「偏見」であり、実際に自分の肌で感じた東北ではない。そこで、震災から10年を期に、まだ行ったことのない東北、まだ行ったことのない宮城に足を運び、新しい世界を知りたいと感じた。その気持ちが生まれたきっかけは、NPO法人G-net事業である、「つながるキャンパス」を通じて知り合った、リフ超学校校長の佐々木さんからのインターンのお誘いだ。社会人になり半年が経ち、つまらない毎日を過ごしている自分がいた。しかし、このままじゃまずいと感じ、行動する必要があると感じた。そこで、お話しを頂いた「野生動物のインターン」に深く興味を持ち、参加したいと強く感じた。

(平田さんレポートより)

今回事業所担当者として受け入れ頂いたのは、かさなりデザイン合同会社代表社員、鈴木淳さんです。インテリア業界から転身し、長年組織で培った鳥獣対策のノウハウを地域の中で活かしたいと今年5月に独立。日夜現地調査や町民、行政等多様なみなさんからのヒアリングを欠かしません。

利府の農地をフィールドワーク!

平田さんと鈴木さんは当日の朝に出会い、早速現場に直行。イノシシや狸による米、野菜の農作物被害が聞かれている利府町菅谷地区内の農地へ出かけました。すでに地主である農家さんが作業をされており、鈴木さんが事前に仕掛けたカメラや防護策を確認するために一行は車を降ります。

仕掛けたカメラの映像を車の中で確認。偶然狸が農地内を闊歩する様子が捉えられていました。平田さん、鈴木さん、地主の堀越さん、ほか駆けつけた地域のみなさんも驚愕していました。その後、利府町の自然環境、野生動物の生態系、求められる対策と有効な(無駄にならない)実施方法等、鈴木さんからレクチャーを受けました。
鈴木さんは「動物たちは嫌がらせのために農作物被害をもたらす訳ではない」と話し、野生動物に対して一方的に懲らしめるのではなく、どのように地域の中で共生していくかが大切だと、専門職視点からまちづくりを語ります。

昼食は沢乙温泉のうちみ旅館でいただきました。ご主人の内海貴史さんより、この日のために「リフ超インターンシップ膳」をご用意いただきました(なんと入浴つき!)。
ご先祖の代からこの地の自然、歴史、食を守り続ける内海さんからも平田さんへ向けて、熱い思いを語って頂きました。

(協力)
現地農家 堀越
沢乙温泉 里山旬味うちみ旅館 内海貴史

午後もひたすら農地のフィールドワークをつづけます!

うちみ旅館さんにくつろぎの時間を提供いただき、重い腰を上げて午後の現場へ向かいます。
午後は春日地区である「利府おもて梨園」にお邪魔しました。宮城県の利府町は利府梨という和梨が看板商品です(平田さんへは利府に来る前に、校長から事前レクチャーが行われていました)。園主の利府梨王子こと近江貴之さんはこの日不在だったため、王子の友人代表を兼ねてここも鈴木さんに案内頂きました。利府梨の鳥獣被害がないか、”異常梨”を確認しつつ、梨の収穫やそこから廃棄される梨の問題、それらを活用して梨カレーを開発した近江王子のエピソードを語りました。

(協力)
利府おもて梨園 利府梨王子 近江貴之 様(不在)

前日から利府町入りし、2日間町内で過ごした平田さんには震災から10年が経過した東北のあり方と利府町の自然環境、農産業の実態を体感して頂きました。インターンシップの実習課程の他にも、大型商用施設の練り歩きや、コワーキングスペースtsumikiにて施設利用やスタッフとの交流も図ることで地方創生の風や地方ならではの人の温かさ等を感じてもらいました。ご本人にとってもかけがえのない経験値となったようです。
レポートをまとめ、淳さんからもフィードバックを頂きました。

私の仕事は、直接には鳥獣による農作物や事故などの被害、問題を解決することですが、被害がなくなったから万事解決するものではないという思いでいます。鳥獣害対策が、解決のためとは言え、金銭的に、労力的に、精神的に負担になって、もともとの農業などのなりわいが疲弊して衰退しては本末転倒です。それに対して、私が問題を解決するわけではありません。何か解決法を教えるわけではありません。その生産者、その地域、それぞれが思い描く将来像に合わせて、一緒に悩み、一緒に考えて、一緒に納得した答えを選択する、という、相手に寄り添って、お手伝いをするのが私の仕事です。そのため、専門知識だけではなく、むしろ、それ以外の周りの物事に視野を広げて関心を持つことが大切です。

(事業者フィードバックより)

平田さんは東京に戻り、新たな気持ちで今年度の下半期スタートを迎えました。

リフ超インターンシップはほかにも、地域に根ざしたインターンプログラムを用意しています。モヤモヤしそうな社会でどう生きていこうかザックリ考えたい方、自己実現に向けてステップアップしたい方の、チョット一声の問い合わせをお待ちしています!