利府町市民活動研究会 活動報告

「行政との協働Ⅰ」のワークをしました。/利府町市民活動研究会

新年度最初の市民活動研究会。テーマは「行政との協働Ⅰ」でした。

利府町内の市民活動団体が集まって交流や研鑽を行い「町民のチカラ」を温める市民活動研究会。新年度の4月12日は利府町文化交流センター(リフノス)にて対面での集まりを実施しました。

今回初参加の方

利府町市民活動研究会は出入りが自由で毎回初参加の方がいらっしゃいます。
今回は「利府deおは梨」メンバー西方日鶴さんでした。西方さんら、利府deおは梨のみなさんは地域に古くから伝わる民話や絵本の楽しさを知ってもらうため、現在絵本制作や読み聞かせ活動と多岐に渡り走り回っています。
また西方さんは別団体音楽サークル「どれみ隊」の代表も兼務されています。こどもたちやお母さんたちが楽しめる音楽や絵本コンテンツを当事者目線で自ら実践されています。

冒頭に直近の活動レポートを

この日の市民活動研究会は、3月に行う予定を繰り越して4月に行いました。
慌ただしい年度末の間に町内外にて行われた「協働まちづくり」関連のイベントやトークディスカッションについて、リフ超学校代表ささきしょうたが簡単にレポートしました。

3月に名取市で行われ、Zoomにて参加した「市民活動情報交換会」と、コーディネーターとして登壇した「利府町まちづくり大学」について、感じた部分を述べました。

「行政との協働」の前に〜わたしたちは町の議会を理解してるかしら?〜

「◯◯との協働」を行ううえで、かならずチカラを求められるのが、仲介役です。いわゆる中間支援、ハブ、コーディネータを呼ばれる人がそれにあたります。
こと「市民と行政の協働」という範疇においては、元来制度として市民の声を届ける議会という制度が存在しています。
利府町の議会は傍聴やYoutube配信等気軽に内容をうかがう手立てがあったのですが、とはいえなかなか直接そのやりとりを目にする機会もなかったので、議員さんのお話を聞いて議会の議論を読み解く時間を取りました。

お話いただいたのは利府町議会議員の遠藤紀子さん、鈴木晴子さんです。
直近の議会の中でとくに「市民協働」テーマに係るものを例に、行政に求めるもの、町民(団体)に求めるもの、両者の望ましい関係性について説明いただきました。

遠藤紀子さん
鈴木晴子さん


遠藤さんからは町に対し市民活動助成金とPR機会の充実を、町民(団体)に対してはそのような制度をぜひ有効活用してほしいと総括。鈴木さんは高齢者の居場所事業に対し、他の市町の事例を勉強しつつ行政と民間NPO等が一緒に進められれば…と、その必要性と有効度を説明されました。

「行政との協働」具体的に何から出来る?

後半は「行政との協働」について、現状各個人や団体が抱える課題と、行政との協働によってどう解決できるか…というディスカッションを行いました。
この中で最もフォーカスが当たったのはこども会や町内会等の地縁組織の運営継続について。時代と社会情勢に見合った会の運営を、という総意へまとまっていきました。
さらに具体になったのは各地区で管理している集会所、公民館分館を、町民と行政との協働でどう施設運営するかという内容でした。

  • 行政と町民がうまく共同運営できれば前述の高齢者の居場所事業も機能するのではないか。
  • 皆でお茶を飲んだり、高校野球を一緒に見たりしたら楽しそう。
  • こどもたちを対象にした「寺子屋」をやりたい。学習支援はニーズがあるのではないか、大学や現職で培った教育学のノウハウを活かしたい。
  • あの館っていつも誰がどうやって管理してるんだろう?

と、少し頑張れば手が届きそうな具体案が出たところでタイムアップでした。
みんなでひとつの施設を協力して運営していく。協働のまちづくりにとって欠かせない視点にたどり着きました。

課題と解決案を出し合ったみなさんが具体にどうアクションしていくのか、今後の活動も目が離せません。

おわりに

利府町内ではまちづくりに携わる多様な主体のみなさんから長年「NPOを育てる/育てたい/(でも)育たない!」という声が叫ばれていました。
「NPO」を「育てる」。どちらも抽象度の高い言葉で、自分は当てはまらないと感じる人も多いかも知れません。しかしNPOという言葉も拡大解釈すれば、法人格が異なる一般社団法人も、特に利府町内に多い任意団体も町内会等の地縁組織も、はたまた企業内の労働組合なるものまで多岐に渡ります。
一体、利府町のみなさんが指す「NPO」とは?「育てる」というのはどんな到達点をセットするのか?この抽象度を少し具体にして共通のゴールを見いだせれば、そこに向かうまちづくりのスピードが勢いづくかもしれないですね。そのために「NPOを育てる」の内容を何回でも議論して詰めていきましょうと提案させていだたきました。

(仮称)利府町市民活動研究会とは?

リフ超学校では「セクター運営強化事業」として利府町市民活動研究会の事務局団体を担っています。利府町でも目覚ましいことに、近年は10〜30代等若い世代で組織される市民活動団体が徐々に増えてきています。台頭してきた団体たちが個々に動き行政等他セクターから支援を受けて活動するフェーズから、団体同士がネットワーク化して他セクターに匹敵する市民力を身につけるフェーズへの移行として、この利府町市民活動研究会を立ち上げました。この利府町市民活動研究会では1〜2ヶ月毎のオフ会と常態するオンラインコミュニティの二層構造でうごいています。月ごとのオフ会では各団体に共通する課題に対し、合同研修やケース会議を行い、常態化したオンラインコミュニティは市民活動に役立つ情報の発信、各団体が持つ資源共有の連絡相談、団体/個人間の親睦に役立てられています。