利府町市民活動研究会 活動報告

これから活動を始めたい人も、ベテランの活動者も一緒に「市民活動とは?」/利府町市民活動研究会

今回の市民活動研究会テーマは「市民活動とはⅠ」でした。

宮城県利府町内外の市民活動の活動者や様々な属性のみなさんが集まって市民社会に対する交流や研鑽を行い「市民のチカラ」を温めるのが市民活動研究会です。5月21日(火)の対面回は利府町文化交流センター(リフノス)にて実施しました。




はじめましての方、自己紹介


今回の研究会は、はじめましての方が3名もいらしてくれました。


柳沼聡さんは、利府寄席実行委員会で「利府でプロの落語で笑える機会を!」と活動しています。コロナ禍を経てみんなで集まって笑うことの大切さを身を以て知った私達にそのようなあつまりを提供しています。




佐々木和恵さんは、子育てが一段落し、次は地域のために何か活動したいと思いたち、「市民活動とは」という一般論やみなさんとの関わりを求めて参加くださいました。




佐藤伶香さんは利府町の町民協働係の職員さんです。昨年度何度もこの研究会に足を運び一緒に議論をしてくださった海野さんの後任として異動して来られました。若くてチャレンジ精神にあふれる職員さんです。




今回のテーマ「市民活動とはⅠ」

導入として。今回は春らしいこと=新しいことを始めたい方向けに「市民活動とは」という基礎的な一般論を研究会主催の(特非)リフ超学校ささきより共有させていただきました。

内容としては他の市町村や県の市民活動支援機関ではどこでも教えてもらえますし、ネット検索すれば十分得られる情報ですが、これを利府町内で説明できる人間がなかなかいないという現状を以前役場の職員さんからうかがい、改めて作成した資料でした。

主に、行政職員さんや企業職員さんの研修を想定して作成したものでしたが、今回のテーマに沿ってその一部を抜粋し、説明しました。




ディスカッション「一般論の市民活動と、ここにいるみんなの市民活動」

導入の後はメインの時間である、みなさんとのグループディスカッションでした。
今回のミッションは

  • 現在活動中の方はその活動内容
  • その他、未だ見られていない利府町の市民活動
  • ◯◯さえあれば私も●●できるのに…という活動

をアイデアとして沢山洗い出していただき、あらためてグループごとに一般論とは異なる「市民活動とは」というアンサーを提示してもらうことでした。

グループディスカッションの様子①
グループディスカッションの様子②




いつもながら、みなさん絶え間なく、明るくかつ熱い議論が続きます。時間という制限があるのでどこでタイムアップを申し出ようか毎回判断が難しいところです。
個別具体な意見、アイデアとしては

  • こどもたちが健全に育ったり、次世代に渡していける活動
  • いわゆるマイノリティーを自認する方も一緒に暮らせる活動
  • こども、おとな、立場や属性の違う方が出会ったり交流できる活動
  • 既存施設(集会所その他公共施設)をもっとフル活用して国際交流や歌声喫茶等のコミュニティ活動。
  • 自然や農作業を起点としたみんなの居場所や出会い、人材育成の活動(災害時のネットワークにもつながる)
  • 活動してる人たちのマッチングや、集いの場となるコミュニティ施設

が多かったように見られます。

2グループで行いましたが、最終的に「市民活動とは」という問いにどう応えたのでしょうか。

【Aグループ】
市民活動とは…?
命をつなぐ活動。
※生きる、死ぬ、怪我・病気等の健康面のみを指すのではなく、一人ひとりの「幼少期はこう生きたい」「思春期はこう生きたい」「青年期は、中年期は、シニア期は…こう生きたい、暮らしたい!」に寄り添い、その寄り添えるベストパートナーにつなぐ活動。

【Bグループ】
市民活動とは…?
誰もが活躍できること。つながり合うこと(で困りごとの解決や喜びの共有を図る)。
問題を協働で解決すること。

まとめ

テーブルに居た皆さんには、既存の活動、あったらいいなと思う活動を並べてもらい、そこから浮かんでくる一般論とは異なる市民活動像を生み出してもらいました。

企業や行政の活動はどうしても成果や目標、トレンドや組織の意思決定等の縛りがあるため「何をするか」の議論が先になりがちですが、市民活動の場合は「何をするか」に先んじてそのまちの一人ひとりにどう接触するかを大切にするという特徴がみなさんの総意として得られたと考えられます。
また、前者(企業・行政)は合理的に事業計画を立てることが多いですが、市民活動の場合は精神論や感情論、哲学といった部分を活かす余地が十二分にあり、むしろそれが活動を牽引してるとも言えます。

くわえて、市民活動の特徴として「超える」という営みに強いこともわかりました。普段出会わないような世代や属性を”超えて”出会い交流する、新しいことを生み出す、誰かの助けになる。そのために不便なルールや仕組みがあるのならばそれすらも”超えて”制度等を改革したりつくったり(政策提言)できる。困難な問題も協働で解決し、利府だから町内だけで完結させようとしとしない、時には違う地域や異国への越境も介しながら広い協働をつくれるという認識が持てたと考えられます。

逆に、「超える」ことを促したり支えたりする仕組みや制度づくり(例:市民活動と他の主体をつなぐ、どんな活動があるのかないのか可視化する等)あたりが今後の課題と期待の表裏一体の部分として考えられます。そしてそこに向かうためには多くの声を”分かち合いわかり合う”アティテュードも大切なファクターとなります。

研究会事務局であるNPO法人リフ超学校も、今まで地元になかった唯一の中間支援団体として、つなぎ役や市民活動を応援する団体であるアイデンティティをもっと皆さんに周知する努力が必要ですし、この研究会と運動もたゆまず進めてゆきます。

市民活動や自治活動、地域コミュニティ活動その他地域活動全般にお困りの時、何か妙案や引っ掛かりを感じたときはぜひリフ超学校へお寄せください!




次回も、考えて吐き出してわかり合ってスッキリするこの研究会で逢いましょう!


利府町市民活動研究会とは?

リフ超学校では2021年より利府町市民活動研究会の発足・事務局団体を担っています。利府町でも目覚ましいことに、近年は10〜30代等若い世代で組織される市民活動団体が徐々に増えてきています。台頭してきた活動者たちが個々に動き、運営難から活動を諦めせざるを得ない状況(地域活性化や市民協働社会の停滞にもつながる)を予防するため、団体同士がネットワーク化することを決め、また他セクター(行政・企業など)と対等に話し合えるテーブル(真の協働社会)を目指すためこの利府町市民活動研究会を立ち上げました。この利府町市民活動研究会では1〜2ヶ月毎の対面ワークと常態するオンラインコミュニティの二層構造でうごいています。月ごとの対面ワークでは各団体に共通する課題に対し、合同研修やケース会議を行い、常態化したオンラインコミュニティは市民活動に役立つ情報の発信、各団体が持つ資源共有の連絡相談、団体/個人間の親睦に役立てられています。
また2023年度からはこの地域に触れるあらゆる主体に通ずる「市民活動促進」と「市民協働」というものの一定の共通認識をつくる運動も始めています。