利府町市民活動研究会 活動報告

「私益・共益・公益」をじっくり対話!/利府町市民活動研究会

今回の市民活動研究会テーマは「市民活動とはⅢ」でした。

宮城県利府町内外の市民活動の活動者や様々な属性のみなさんが集まって市民社会に対する交流や研鑽を行い「市民のチカラ」を温めるのが市民活動研究会です。9月17日(火)の対面回は利府町文化交流センター(リフノス)にて実施しました。




テーマ「市民活動とはⅢ」は「私益・共益・公益」に迫る


地域での様々な活動に積極的に参加したりそれを知ろうとしている人たちはしばしば「公益」という言葉を耳にします。
公益というのは辞書で引くと”社会一般の利益。公共の利益。”と記されています。その公益に資するために活動するのがいわゆる市民活動と呼ばれるものの一種です(諸説あります)。

その他公益という言葉の他に「私益」「共益」という日本語として存在し、今回はこの3つの”益”が辞書のとおり分かたれたものなのか、密接に影響し合うのか、みんなで対話をしました。



私益・共益・公益の密接な関係

みんなでの対話でまず口火を切られた意見がこの3つの益と「自助・共助・公助」の対比で、この話からスタートしました。

  • [私益-自助][共助-共益]はしっくり来るが[公益-公助]の照合は何か違和感がある。
    • 公益はそれに資する活動内容や行う主体を選ばないが、公助は公が民へ行う不可逆的(双方向的ではない)支援であり、その支援対象(例:困っている人)に該当できない人もいれば、他の主体(市民や企業)の介入(≒協働)が制限されることもある。
  • 地域や社会は市民、企業、行政などのさまざまな主体で成り立っている。しかしそれぞれの主体の構成要素を最小単位へ分解すると行政組織も企業も市民団体もやはり「個人」である。(ソーシャルナノテクノロジー)
  • 個人(私)が元気で幸せであり、その余剰を共益(家族・友人・近所・所属組織)に渡す。そしてその組織や集合体でまた余剰になった元気が公益に渡ることが、理想的な姿(元気玉理論)
    • 頼まれたからやる、仕方ないからやる等、「私」が満たされないうちに共益・公益にエネルギーを割く(ある場合は搾取される)と前述と反対の悪循環が起こり私益、共益、公益が共倒れ的に枯渇する。
  • 私益の次に満たすべきは共益(家族・友人・近所・所属組織)。特に最近みんなは隣近所とつながることを望んでいるのだろうか?
  • 家庭内で不順やトラブルがあるとこどもたちへも影響し家庭というブロックで共益A(-)となり、自分の元気をなくし私益(-)となり、団体活動への影響、共益B(-)ということがある。
  • 共益や公益を満たすための集まりや「お互い様」もあっても良いが、誰か一人を助ける集まりがあってもいいのではないか。やはり個人個人がパワーを持っていたほうが望ましい。
    • そういう人材を集めつなげ、育てるハブ(中間支援)がより一層求められる。


などなどたくさん対話ができました。「私益・共益・公益」は市民活動やまちづくりを考えるときだけに使う尺度ではなく、私生活や市民活動以外の本業、副業etc…日々の暮らしのなかのさまざまな場面で潜んでいることがわかりました。




次回も、考えて吐き出してわかり合ってスッキリするこの研究会で逢いましょう!
(常態のオンライン市民活動研究会グループも募集しています。)


利府町市民活動研究会とは?

リフ超学校では2021年より利府町市民活動研究会の発足・事務局団体を担っています。利府町でも目覚ましいことに、近年は10〜30代等若い世代で組織される市民活動団体が徐々に増えてきています。台頭してきた活動者たちが個々に動き、運営難から活動を諦めせざるを得ない状況(地域活性化や市民協働社会の停滞にもつながる)を予防するため、団体同士がネットワーク化することを決め、また他セクター(行政・企業など)と対等に話し合えるテーブル(真の協働社会)を目指すためこの利府町市民活動研究会を立ち上げました。この利府町市民活動研究会では1〜2ヶ月毎の対面ワークと常態するオンラインコミュニティの二層構造でうごいています。月ごとの対面ワークでは各団体に共通する課題に対し、合同研修やケース会議を行い、常態化したオンラインコミュニティは市民活動に役立つ情報の発信、各団体が持つ資源共有の連絡相談、団体/個人間の親睦に役立てられています。
また2023年度からはこの地域に触れるあらゆる主体に通ずる「市民活動促進」と「市民協働」というものの一定の共通認識をつくる運動も始めています。